NFTはブロックチェーン上でデジタルデータを所有・管理できる一方、分散型の仕組みが広く使われているとはいえず、コストやサービスの使い勝手が課題になることもあります。既存のサービスやデータベースで実現できることも多いなか、NFTであること自体が価値につながるケースと、NFTの特性が活用されているケースは分けて考えられるのではないか、という視点から話しました。
活用案として挙がったのは、プラットフォームをまたいで同じNFTを扱える可能性です。イベントのチケットでは、所持や本人確認を示しつつ個人情報の開示を抑える方法や、発行者が把握できる範囲で二次流通を促す使い方について意見が交わされました。また、酒樽の所有権を示すNFTや、NFT保有者が特典の音楽を複数の配信サービスで聴ける仕組みも例に挙がりました。旅行先やイベント会場に実際に行った記録を、現地で受け取れるNFTとして残す案も紹介されました。
一方で、こうした使い方がNFTでなければ実現できないのか、サービスが一つのプラットフォームに依存する場合にNFTの利点があるのかも論点になりました。ブロックチェーン上に記録を残すことで、資料や歴史的な記録を広く保存できる可能性があるという話や、未完成の詩をNFTとして購入し、後から作品が追加されていく事例も紹介されました。既存のものをNFTに置き換えるだけでなく、NFTだからこそ成立するものを新たに作ること、さらに所有権や著作権をめぐる法的な整理が必要になる場面についても議論しました。