自民党の「AIホワイトペーパー2.0」を読み解く後編です。今回は、AIが何に使えるかという視点から、人間にしかできないことを考える章と、規制の強弱ではなく信頼を設計するという章を取り上げました。まず、AIトランスフォーメーション(AX)を大企業から中小企業まで広げる提言を確認。中小企業ではAIの利用や導入を担う人材、投資資金が不足しているという課題に対し、組織づくりの知見をまとめて公開すること、人材育成や導入支援、補助制度の整備などが示されています。
雇用については、AIによる業務代替を見据え、労働市場への影響調査、リスキリング、ジョブ型雇用やフラットな組織への転換、ハローワーク機能の見直しが提案されています。また、科学研究ではAIを活用できる環境づくりや研究支援、研究人材の育成・確保を取り上げました。教育分野では教員向け研修や学校業務でのAI実証、探究学習、データ基盤整備が挙げられています。創作分野では、コンテンツの無断利用や権利行使の課題を踏まえ、許諾と利益還元の仕組みを検討することや、AIによる声の無断利用への対策が話題になりました。
後半では、法制度・技術評価・利用者のリテラシーを組み合わせた信頼設計、国際連携やルール形成、行政をAIエージェント前提に見直すGovernment AXを確認しました。官民での実証やデータ整備、進捗の可視化に加え、内閣官房直下に横断的な推進チームを設ける提言も紹介されています。全体として、人材や組織、制度の整備に重点が置かれている一方、調査・実証の具体的な方法や基準が曖昧な箇所もあると指摘。提言を実効性のある改革につなげるには、最初の設計を明確にすることが重要だと話しました。