第236回では、メタバースビジネス調査レポートを読みながら、メタバース市場の現状と事業化の課題について話しました。レポート上のメタバースは、AR・MRや一人で体験するVRコンテンツを含まず、複数の利用者がアバターで参加する仮想空間を中心に定義されています。空間内のアバターのスキンやアイテムなども対象とされる一方、仮想空間の外で使うものは含まれないという整理が紹介されました。
調査では、7万人のうちメタバースビジネスに取り組んだ経験がある人は5.2%、経験がない人は94.8%でした。また、事業化の成否が判明している層のうち、社内審査を通過した、または事業として運営していると回答した割合は8.1%と説明されました。事業化に失敗する例には、既存ビジネスの延長として企画する、利用者が継続して訪れる仕組みが弱い、メタバースを使う合理性を説明できない、収益源が少ない、コスト見積もりが不十分といった特徴が挙げられました。
検討プロセスでは、ターゲットや課題・ニーズの把握、業務プロセスの可視化、事業リスクの分析と撤退条件の設定、社内事例やユーザーへの調査が重要な項目として取り上げられました。レポートの提言として、取り組む意義が不明確なら撤退も視野に入れること、技術やユースケースありきではなく顧客の課題から考えること、環境変化に対応できる体制を整えること、専門性のある人材を検討チームに加えることが紹介されました。