第368回では、「AIの扱いに新たにルールができる?」をテーマに、政府が検討している「AIの適切な利活用等に向けた知的財産の保護及び透明性に関するプリンシプル型コード(仮称)」を取り上げました。AIを利用する側ではなく、主にAIを開発・提供する事業者を対象とし、知的財産の保護や透明性確保の原則を示す案として紹介されました。国内に事業所がない場合でも、日本向けにAIサービスを提供すれば適用対象となると説明されました。
案に盛り込まれた内容として、AIモデルのバージョンや設計、学習・調整の方法、学習に使ったデータの種類や収集方法、開発・運用に関する意思決定の記録などを保存し、開示することが挙げられました。こうした情報が明らかになれば、著作権などの侵害があった際に経緯を追いやすくなり、知的財産の保護につながる可能性があります。一方で、記録や確認に大きな負担がかかり、とりわけ小規模な開発者には難しくなることや、日本のAI事業者の競争力を損なう懸念が話題になりました。
後半では、規制で開発を抑えるのではなく、権利者とのライセンス契約を通じてコンテンツを活用する方法や、AIによる生成物が著作権を侵害しているかを判定する仕組みについて意見を交わしました。また、二次創作文化や作品へのリスペクトを保ちながらAIを活用すること、創作者が報われる場やプラットフォームを整えることも論点となりました。知的財産を守りつつAIの成長を阻害しない方法を探る難しさを確認した回です。