第58回では「Web3とマンガ」をテーマに、NFTがマンガにもたらす価値について話しました。NFTによってデジタル作品のオリジナル性を区別できても、それだけで一般の読者が購入する理由になるのかは課題です。紙の単行本や公式アプリとは異なる価値を生むには、作者の原画やラフ、描き下ろしなど、作品を深く応援するファンにとって魅力のある体験につなげることが重要ではないかと意見が交わされました。
個人でマンガを発表するクリエイターにとって、NFTは作品を届けたり、ファンとのつながりを育てたりする手段になり得ます。作品を公開しながら、コミュニティ内で限定の作品を販売する案や、NFTを通じて二次創作の制作者に収益が還元される仕組みも話題になりました。また、XANAのマーケットプレイスでは、マンガのNFTを画像として保有するだけでなく、3Dアバターやゲーム内のカードとして使う例が紹介されました。NFTゲートウェイを使い、特定のNFTを持つ人だけがマンガを読めるようにする方法も取り上げられました。
さらに、ファンがメタバース内の空間やアイテムを作ることで、作品へのこだわりを反映した世界をみんなで形にできる可能性について話しました。ブロックチェーンで取引履歴を確認できれば、ファン同士で作ったものと外部から持ち込まれたものを区別する手がかりにもなります。出版社などの組織に所属することで宣伝や制作に集中できる一方、NFTなら作品を直接届けられるという意見も出ました。後編では、今回の話題をさらに深める予定です。