「メタバースと音楽」をテーマに、仮想空間ではどのような音楽体験ができるのかを話しました。音楽の楽しみ方には、ライブハウスやクラブのようにリズムに乗って盛り上がる形と、演奏や楽曲にじっくり聴き入る形があると整理。現状のメタバースでは、後者の体験を作りやすい一方、前者には身体の動きを捉える機材や高性能なPC、通信環境が必要で、動きの遅延や表示できる人数にも課題があると説明しました。
ライブでは、音だけでなく演奏者の動きや息遣いなどの視覚情報も、観客が音楽に入り込む要素になると紹介しました。自分の見たい方向を向けることや、演者と観客の視線が合うことも、映像視聴とは異なる体験につながります。そのうえで、音楽に合わせて光や模様が変化するパーティクルライブを、メタバースならではの表現例として挙げました。現実の身体表現に限らず、光の広がりなどで楽曲の世界観を表現し、音楽への没入を助けられる点に魅力があると話しました。
目指す体験は、現実のライブをそのまま再現することでも、現実と切り離した表現を作ることでもなく、音楽やライブに仮想空間ならではの演出を加えて広げることです。アーティストの動きと演出を細かく同期させる仕組みや、音の波形に合わせた調整機能、制作にかかる労力などは課題として挙がりました。また、演奏者が一か所に集まる場合と、離れた場所から参加する場合では遅延の条件が異なることにも触れ、現実のライブやミュージックビデオの体験をメタバースで拡張する可能性を考えました。