第284回は「メタバース×教育」をテーマに、clusterに掲載された教育に関するインタビュー記事をもとに話しました。バーチャル技術が教育にもたらす可能性として、場所や時間の制約を越えること、アバターを通じて年齢や見た目の違いを意識しにくい環境をつくること、実際の現象を体験して理解を促すこと、学習状況のデータを集めやすいことが挙げられました。
体験学習では、見えにくい事象を立体的に捉えることや、STEM教育における空間把握能力の重要性を話題にしました。プログラミングやチームでの制作を通して、知識だけでなく協力してものを作る経験も得られるのではないかと意見が交わされました。一方、立体表現を何にでも使うのではなく、学習の入り口で活用し、理解が進んだら説明を簡略化する考え方や、得意・不得意に合わせた学びの場をどう設計するかも議論しました。
教育現場での活用については、現時点で学校法人や独自カリキュラムを作るのではなく、教育に新しい体験をもたらすツールとして広げる構想が紹介されました。将来的な活用例として、異なる言語を使う人との交流を通じた言語学習も取り上げました。参加者からは、会話の機会を設けるだけでなく、学習者が言語を使いたいと思える状況や、使う楽しさをどう生み出すかが大切だという意見が出ました。
また、バーチャル空間が物理的な暴力、引きこもり、限られた人間関係の中で価値観が固定化する問題にどう向き合えるかを確認しました。学習の進度や興味に合わせた環境づくり、つまずいていても声を上げられない生徒を支援する可能性にも触れ、現在の教育を否定するのではなく、より良くする手段としてのバーチャル技術について考えました。